広域農道と農免道路とは?

2017年7月29日

道路には、道路の管理者の違いによる道路があります。

例えば、国道ですが、数字が一桁と二桁と100番台の一部を国土交通省(旧建設省)が管理している道路と、俗にいう三桁国道と呼ばれている都道府県や政令指定都市が管理している国道があります。

さらに、都道府県が管理している都道府県道、市町村が管理している市町村道があります。

そして、道路を作る目的によって異なる道路があります。自動車専用道路や高速道路などは自動車(自動二輪では250cc以上)だけを走らせる目的や高速に移動させる目的で作られています。

今回の話題は、一般的に「農道」と言われている道路です。この「農道」は農業用の自動車が通るという目的により作られています。

田んぼや畑が広がる所では、必ず、無数の「農道」が走っています。そこは、農耕用のトラクターやトラック、スピードスプレーヤーなどの防除車両が走ります。「農道」の管理者は土地改良区(注1)と呼ばれる「公法人」や農業関係の団体であることがほとんどです。

このため、前述の国道、都道府県道、市町村道のような「公道」ではないため、道路交通法の適用を受けないので、運転免許証が必要ない場合があります。

この「農道」の中でも、グレードが高い「農道」が「広域農道」や「農免道路」です。どちらも、国(農林水産省)の補助金により作られた道路です。

まず最初に「広域農道」です。


国の補助制度により、農道を作るための事業名があります。「広域農道」の正式事業名は「広域営農団地農道整備事業」です。そして、ほかの「広域農道」と区別するため通過する地域の名称を頭に付けて、上の写真の場合は、「置賜東部地区広域営農団地農道整備事業」が、この道路建設のための正式事業名です。そして、「ぶどう・松茸ライン」という愛称を付けています。ブドウと松茸の産地の中を走るために、この愛称が付けられました、

「広域農道」は国から補助事業として認めてもらうために、広い範囲の農業地帯を通過し、農道として新たに建設する部分もあれば、一部、既存の都道府県道や市町村道の改修も含めて一本の「農道」として計画されます。このため、道路の総距離数は数十キロが普通です。また、道路の幅員(幅)は、都道府県道とほとんど同じレベルです。トンネルを掘る場合もあります。この道路を新たに建設する部分は都道府県の農林土木事務所などが設計発注します。

「広域農道」は新たに建設された部分は都道府県や市町村が管理するため、公道として扱われます。

次は「農免道路」です。


「農免(のうめん)道路(農道)」の正式名称は「農林漁業用揮発油税財源身替(みがわり)農道整備事業」という舌を噛みそうな、とんでもなく長い事業名です。「広域農道」の場合は正式名称から何となく事業の中身が推測できますが、こちらは意味が理解できないはずです。

農業や漁業用の車両がガソリンや軽油を使う場合、その燃料にかかっている税金を財源(補助金)として、農道を作る事業という意味なのです。なんか、分かりにくい事業です。

この道路は、「広域農道」よりも狭い範囲で、距離も十キロ前後が多く、交通量が少ないという前提で若干道路幅も狭く、新規に建設するために都道府県の土木事務所などが設計発注します。

完成すると市町村が管理するため公道になります。

このように、「農道」といえども、一般道となんら遜色のない「農道」は、時としてバイクのツーリングにはもってこいのコースになることがあります。

注1 「土地改良区」とは
農家によって構成されて団体で、農地での生産性を向上するため、農道の整備や田や畑の区画整理、水路の整備などを行います。法律上は「公法人」として、都道府県や市町村などの地方公共団体に準ずる団体として扱われます。このため、地方公共団体と同じような税制上の優遇措置があります。また、様々な事業を行うために各農家から賦課金という名称で所有する面積に応じた負担金を集めます。この賦課金は地方税と同じで、納めないと差し押さえなどの強制徴収が認められています。