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山形県立谷地高等学校に遊びに行ってきました。

2018年9月27日(木)
以前から、知り合いの高校の先生から、遊びに来いと言われて、山形県立谷地高等学校に遊びに行ってきました。

この日は、あいにくの小雨模様でしたが、スーツの上にアウトドア用のレインジャケットを羽織り、愛車リトルカブでトコトコと授業中の高等学校に出かけました。

谷地高校はカヌー競技では長年、全国ナンバーワンの実力を持つ強豪校です。ただ、少子化の波は生徒数の激減をもたらし、将来的には近隣の寒河江高等学校との合併が避けられない状況にあるとのことでした。

一学年主任が英語の先生で、大人しい一年生に世界に目を向けて欲しいということで、知り合いの先生を通して、講演依頼がありました。この主任の先生とは面識はありませんでしたが、不思議なもので、10年前、主任の先生の奥様に韓国語の通訳をお願いしたことがあります。そして、私が一時、山形市内の高等学校に勤務していた時に奥様が韓国語の先生をしており、知り合いの先生も同じ学校にいました。

以前にも、女子高生を対象に何度か、バングラデシュの話をしたことがあり、高等学校の独特な雰囲気はわかってはいましたが、いざ、120人の高校生の前で話をしろと言われても、何を言ったらいいのか、無我夢中で70分間を喋りまくった記憶だけが残っています。

最初に、アロアシャ学園と言う貧しい子供たちのための学校の紹介ビデオで流して、学校を設立した理由と私が何故、この学校と関わっているのかを説明しました。

その後、貧困について、コンビニの100円レギュラーコーヒーとコーヒーの生産価格がキロ80円であることを例えとして説明をしました。ところが、高校生たちの反応がまるで鈍くて当惑しました。コンビニコーヒー使われているコーヒー豆を10gとし、仮に豆代を50円としたときに生産価格と比べた時に何倍になるかの暗算がなかなかできないのです。面倒なので生産価格をキロ100円とし、生徒たちに訊ね回ったのですが、みんな、首をかしげるだけで返事が返ってきませんでした。

後でわかったことですが、生徒たちは黒板に書いたり、ノートに書くとすぐにわかるのですが、暗算になると全くできないのです。また、今の高校生はコーヒーは殆ど飲まないそうです。では、何を飲んでいるのか訊ねたら、コーラなどの清涼飲料水がほとんどでした。コーヒーは苦いと言って飲まないそうです。スタバのコーヒーは砂糖とミルク(本当はミルクではなく、植物油と水と石鹸です)をたくさん入れて飲むと学年主任の先生は言っていました。

ジェネレーションギャップを感じました。

知り合いの先生が送ってくれた写真はピンボケが多く、ビックリしました。他の先生がコンデジ(コンパクトデジタルカメラ)で撮った写真のようです。最近はスマホのカメラの方が格段に性能が上がっています。

貧しさの象徴として子供たちが労働者であるというビデオを紹介しました。

小学生ぐらいの年齢の子供が車を運転し、大型バスまで運転しているという状況が何を意味しているのか高校生たちに考えてもらいました。

大人しい生徒ばかりだと言うので、8月にバングラデシュで起きた高校生によるデモについて紹介しました。

事件は8月初めに起こりました。バングラデシュの首都ダッカの国際空港の近くで、暴走した路線バスが帰宅途中の高校生の列に突っ込み、多くの高校生が亡くなりました。

バングラデシュでは交通事故が絶えません。どれだけ多くの人々が亡くなっているのか正確な数字がつかめないのです。事故の理由の多くは、運転手や歩行者自身のモラルに問題があるのですが、それにも増して多いのは、無免許運転、飲酒運転(イスラム国でありながら隠れて飲酒をする)、麻薬を吸引しながらの運転、無車検、先に紹介した子供たちによる運転など、現代日本では考えられない状況がバングラデシュの日常です。

バングラデシュの非日常に高校生たちの怒りは爆発しました。自分たちと同じ年齢の高校生を失った怒りはバングラデシュ社会に向けられました。道路を走っている車を次々に止めて、運転免許証の確認を始めました。ダッカの至る所で高校生による検問が始まりました。

緊急車両も例外ではありません。白バイに乗る警察官が無免許であることが明るみになりました。政府高官の運転手も無免許でした。

次々に出てくる不正に対する高校生たちの怒りは収まらず、高校生たちの兄や姉である多くの大学生や家族たちも、この行動を支援するようになり、一般市民にも飛び火することになったのです。

「高校生には免許証、警察官には賄賂」という風刺画まで出てきました。また、警察官が賄賂を受け取る瞬間を撮った写真まで流れてしまったのです。

警察がコントロールできなくなりました。政府も動かざるを得ない状況になり、警察が取り締まるという正常な状態になりつつあります。

しかし、このバングラデシュの高校生が起こした行動を谷地高校の1年生は誰も知りませんでした。もちろん、先生たちもです。そして、多くの日本人も詳しく知らなかったはずです。新聞でもニュースでも、ほんの小さくしか取り上げませんでした。

バングラデシュの高校生たちが自分たちで正常な社会を取り戻すためにとった行動を谷地高校の生徒たちに考えてもらいたかったのです。

毎年起こる洪水、無秩序で混沌とするバングラデシュ。

まだまだ貧しい国であるバングラデシュで活き活きと生きる子供たちから、少しでも日本の高校生に学んでもらいたいと思い、講演を締めくくりました。

正直、谷地高校1年生の反応の無さに、私自身、衝撃を覚え、落ち込んで、リトルカブで帰宅しました。

後日、知り合いの先生からお礼の手紙と写真のデーターが送られてきました。

本当に興味を持ってくれたのか不思議だけが残っています。